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January 09, 2006
スイミング・プール
■Swimming Pool
■2003年【仏・英】
■上映時間:102分
Francois Ozon 初体験^^
Charlotte Rampling 演じる売れっ子作家サラは、出版社社長ジョンの所有する南フランスのプールつきの別荘へやってくる。眩しい陽光もサラにとっては所在なげで、彼がくるのを待っていたが、やってきたのは娘のジュリーだった。
2人は奇妙な殺人事件に巻き込まれていく。。。
まず、なんといっても綺麗なんだよなー。何もかも。
新鮮な空気感漂う南フランスの描写や、プールを木々の間から見下ろす画。あの町並みの全て、遠景の全てが物凄く綺麗。
終始見とれてしまう様な画と、あのどこかミステリアスなBGMの調和が凄く良かった。これ、劇場で観るべきだったなぁ。。
さて、内容。
これが又かなりの謎を残しますな…。こういうの苦手なんだが。。
とは言え、とっても面白かった^^
~~~~以下バレ~~~~
世間でも色々と解釈の選択肢がある様なので、俺なりの見解を。
まず気になったのは、あの十字架。「あれを外した場面~ラストに再び壁に戻っている場面」が、ラストシーンでサラの持っていた「Swimming pool」という小説なのではないだろうか。
あの妖艶なジェリーはあらゆる点でサラとは対照的だ。内向的で短気なサラがサラ自身を反面教師とした上で具現化した願望の表れだと思う。情熱的でロマンチストの初恋の彼を振った話も、実際にはそうありたいと願うサラの空想なのではないだろうか。
カフェ店員への密やかな恋心も、勇気の持てないサラは自分が恋愛する代わりに、彼にジュリーを振らせる事によってささやかな欲望を満たす。更に、「アイディアがどんどんと沸いてくる」サラは彼をジュリーに殺させる。
「プール脇に落ちていたパンツ」だの「誰も気づかない様な微細な血痕」等から、直感的と呼ぶにはあまりにも神がかった閃きでジュリーの殺人を見抜いてしまうサラはいくらなんでも不自然だ。
逆にこれを「小説Swimming pool」と捉える分には想像に難しくないし、この辺りが製作陣からのヒントではないだろうか。
ジュリーの母親はニースに居るのではなく、実際には亡くなっていた。彼女の遺品の小説は燃やされてしまっていたけれど、コピーがあった。これを蘇らせ具現化するのはサラの仕事だ。サラが創造したジュリー本人の手から自分に託させた。
こうして「小説Swimming pool」が具現化し、ジュリーの母親は蘇る。
社長に一矢報いたサラ。金になる警察モノだけを書かされ、短気でグチばかりこぼしていたサラは去り、最後に本当の笑顔を取り戻す。
そう、死んでいたのはジュリーの母親ではなく、サラだったのではないだろうか。
投稿者 Min : January 9, 2006 03:17 AM